WEC世界耐久選手権は3日、第2戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースが行われ、アンソニー・デイビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ組の8号車トヨタTS040ハイブリッドが開幕戦に続き2連勝を挙げた。
前日の予選では、16年ぶりに耐久レースのトップクラスに“復帰”したポルシェの14号車ポルシェ919ハイブリッドが、ダンプコンディションの予選を制して参戦2戦目にしてポールポジションを獲得した。
迎えた6時間の決勝レースは、雨がらみとなった前日とは打って変わってドライコンディションで推移。14号車ポルシェがレース序盤をリードし、予選2番手の8号車トヨタは10秒以内の差で首位を追う展開となった。
8号車トヨタは、14号車ポルシェが2時間経過を前に2度目のピットストップを行った際にハイペースで差を縮めて首位を奪取。その後もリードを拡大し、中盤以降はレースを支配。後続に1分以上の差をつけて6時間で171周を走破し、開幕戦シルバーストンでの勝利に続き2連勝を果たした。
一方、14号車ポルシェは、8号車を追って2番手を走行していたものの、レース開始から3時間30分というところで突如スローダウン。縁石に乗り上げた際にマシンの電子システムにトラブルが発生した模様で、コクピット内の操作でシステムを一度リセットしペースを取り戻すが、その間にラップダウンを喫して4番手に。優勝争いからは脱落してしまった。
これにより、1号車アウディR18 e-トロン・クワトロと7号車トヨタがレース終了まで激しい2番手争いを繰り広げることに。最後まで接近戦が展開されるも、前戦はクラッシュでリタイアを喫した1号車アウディが今回は2位を獲得。7号車トヨタは3位と2戦連続の表彰台を獲得した。
4位に14号車ポルシェが入り、2号車アウディ、3号車アウディは最後までペースが上がらず5、6位に。7位には、LMP1-Lクラスに今回から投入された12号車レベリオンR-One・トヨタがつけ、序盤から様々なトラブルに見舞われた20号車ポルシェは、総合23位となった。
LMP2クラスでは、前戦も制したG-ドライブレーシングのロマン・ルシノフ/オリビエ・プラ/ジュリアン・キャナル組26号車モーガン・ニッサンが、レース開始から1時間30分というところでKCMGの47号車オレカ03・ニッサンをかわして首位に。その後は26号車が終始レースをリードし、最後は2位以下を1分以上引き離してクラス優勝を飾った。2位にはJOTAスポーツの38号車ザイテックZ11SN・ニッサン、3位にKCMGの47号車が入っている。
LM-GTEプロクラスでは、AFコルセのジャンマリア・ブルーニ/トニ・バイランダー組51号車フェラーリ458イタリアがポール・トゥ・ウイン。タイヤ戦略により序盤は一時97号車アストンマーチン・バンテージV8の先行を許すものの、中盤以降はレースをコントロール。最後は2位の91号車ポルシェ911 RSRを1周以上引き離してクラス優勝を飾った。3位には、AFコルセの71号車フェラーリが入っている。
また、LM-GTEアマクラスでもAFコルセの61号車フェラーリがクラス優勝。2位に95号車アストンマーチン、3位には98号車アストンマーチンと、アストンマーチン・レーシング(AMR)勢が続いている。
WEC第3戦となる今年のル・マン24時間は、6月14~15日に開催される。また、ル・マン本戦に向けて、6月1日が公式テストデーとなっている。