アイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーの追悼イベントの一環として、イモラ・サーキット内にある競技場で、往年のイタリア人ドライバーvsスクーデリア・フェラーリクラブによるチャリティサッカー大会が開催された。
“イタリア人ドライバー”チームのスターティングメンバーには、リカルド・パトレーゼ、アンドレア・デ・チェザリス、ピエルルイジ・マルティニ、イワン・カペリ、エマニュエル・ピロらが名を連ね、熱戦が繰り広げられた。
イタリアだからか、ミスプレイには容赦ないブーイングが浴びせられる。そんな中、“おじさん”ドライバーたちも「絶対に負けられない」という決意の表れか、球際は激しく当たりに行っていた(様に見えた)。チェザリスが前線でかき回し、サイドからパトレーゼが(ごくたまに)キラーパスを供給、カペリもDFの頭に合わせる正確無比なコーナーキックを披露。好ゲームが展開されていた。
しかし、途中からひとり、またひとりと途中交代でピッチを去って行くイタリア人ドライバーたち……。徐々にモチベーション低下がプレイにも散見し始め、結果的にはスクーデリア・フェラーリクラブの勝利となった。なお、一番若いはずのヤルノ・トゥルーリは試合には出場せず、ピッチサイドでの見学だけだった。
試合後、フル出場したカペリは「今日は色々なイベントが行われたから、さすがにちょっと疲れたね」と疲労困憊。ただ、セナとの思い出について問われると、「彼と最初に会ったのは、1978年にポルトガルで行われたカートの国際大会だった。彼は他のドライバーとはドライビングスタイルが異なっていて、速かったんだ。F1でもそれは変わらなかったよね」と話していた。
前半途中で早々に交代したパトレーゼは、「全然疲れてないよ! 僕はまだまだ若いからね。だってまだ40歳だよ(※実際には60歳)」と、元気なコメント。ただセナについては「アイルトンは友人だったし、あれから20年が経ったなんて信じられない。彼はいつも僕の心の中で生きているから、昨日のことのように思えてくるんだ」と、神妙に語っていた。
(高山祐紀/F1速報)