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DTMドイツツーリングカー選手権がいよいよ今週末開幕。三つ巴の戦いは今年も

2014年05月01日 18:30  AUTOSPORT web

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今季もメルセデス、アウディ、BMWの3メーカーが戦うDTM
いよいよ今週末の5月3日~4日、ホッケンハイムでDTMドイツツーリングカー選手権の2014年シーズンが開幕する。参戦するドイツの3メーカーがしのぎを削る戦いは、今季も激しい戦いが展開されそうだ。

 DTMはメルセデスベンツやアルファロメオ、オペル等が戦った1984年から95年までの第一期の後、2000年に復活。メルセデス、オペル、アウディというメーカーが戦っていたが、06年から11年まではメルセデスとアウディの2メーカーの戦いに。しかし、2012年から現行の車両規定に変更されるとともに、BMWが第一期以来となる復帰を果たし三つ巴の戦いに変化。世界的な展開と相まって再び注目度が増している。

■限られたエリアで激化する空力開発
 今季から日本のスーパーGT500クラスでも採用されている共通モノコックを使用した車両規定も、DTMでは使用3年目。エンジンは共通の4リッターV8エンジンを使用し、ハンコックタイヤのワンメイク供給も変わらず。このDTM/GT500規定では空力開発をできる部分が大幅に制限されてはいるが、そのわずかな部分のアドバンテージをめぐり各メーカーがしのぎを削っている。

 ベース車をM4に変更したBMWをはじめ、すでに各メーカーがオフのDTM合同テストから14年型車を投入し走行しているが、3メーカーともにフロントフェンダーからサイド、リヤフェンダーにかけての"デザインライン"下方に細かな改良を施しており、空力開発は過激化。デザインラインから上方で空力開発をできる部分としてはサイドミラーがあるが、3メーカーともサイドミラーステーをウイング形状化し、サイドのエアフローからダウンフォースを得る努力を続けている。

■レベルが高いドライバーラインナップ
 今季はチャンピオン防衛を狙うアウディが8台、BMWが8台、そしてメルセデスが7台を投入し、23台のマシンが参戦するが、ドライバー面でも昨年に比べ楽しみなメンバーが揃っている。チャンピオン経験者はディフェンディングチャンピオンのマイク・ロッケンフェラー(アウディ)をはじめ、アウディ勢ではティモ・シャイダー、マティアス・エクストローム、メルセデスではF1から復帰のポール・ディ・レスタ、ゲイリー・パフェット、BMWではブルーノ・シュペングラー、マルティン・トムジクと7人が揃う。

 また、ルーキーも粒ぞろいだ。F1から転向してきたビタリー・ペトロフをはじめ、フォーミュラ・ルノー3.5から移ったアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(BMW)やニコ・ミューラー(アウディ)、スポーツカーレースで実績を積んできたマキシム・マルタン(BMW)などレベルが非常に高い。もちろん、優勝経験をもつ中堅どころも毎戦上位に絡んでくるはずだ。

■タイトル獲得狙う各メーカー首脳陣
 毎戦非常に多くの集客が入り、ピット周辺の設備やホスピタリティ等はF1と同等以上の豪華さをもつなど盛り上がりをみせているDTM。自動車メーカーのプロモーションの場としても確固たる地位を築き始める一方で、よりその効果を増すためにレースのレベルも激化している。

 アウディスポーツでDTMを率いるディーター・ガスは、「アウディのチームとドライバーは、2013年の栄光にひたることなく、その栄光を続けるためにハードワークを続けてきた。我々アウディはマシン、ドライバーラインナップ、チームとともにタイトルを防衛し、マニュファクチャラータイトルも獲得できるだろうと確信しているよ」と自信をみせる。

 一方、12年に王座を獲得し、今季はM4 DTMを投入するBMWのイェンス・マルカルトは「開幕戦のホッケンハイムは大きなイベントになるだろう。それに加えて、我々はニューマシンを投入するさらなる興奮がある。土曜の予選から、我々の新たなチャレンジャーがどの位置にいるかが分かるだろう。そして、今年はシリーズの30年の記念の年でもある。DTMとBMWは、ともに多くの成功を得てきた。5月4日、我々はさらなるサクセスストーリーをともに刻む」と語る。

 また、メルセデスベンツのトト・ウォルフは「我々はシーズン開幕に備え集中的に準備を行い、昨年と比較してパフォーマンスを上げることに成功している。レースに勝ち、チャンピオンを争いたいと思っている」とシーズン開幕に向け意気込みを述べている。

「DTMへの関心は巨大なものだ。それもあって、我々はニコ・ロズベルグとニコ・ヒュルケンベルグというふたりのF1ドライバー、そしてサッカー界のレジェンド、フランツ・ベッケンバウアーをゲストとして呼ぶ」

 多くの注目を集める開幕戦ホッケンハイムを制するのは果たしてどのメーカーになるのか……!? 日本でもJ SPORTSで全戦1時間枠で放送予定となっており、日本でもその迫力あるレースが楽しめるはずだ。