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健康は「笑い」からやってくる?

2014年05月01日 18:01  新刊JP

新刊JP

健康は「笑い」からやってくる?
ユダヤ人というと、「お金持ち」「天才が多い」とイメージする人も多いだろう。実際、世界人口の約67億人に対し、ユダヤ人はわずか1500万人程度にもかかわらず、歴代ノーベル賞受賞者の約3割を占めている。
 物理学者のアインシュタイン、哲学者のマルクス、現在では映画監督のスティーヴン・スピルバーグなど、さまざまな分野で創造的な活動をしているユダヤ人が多い。

 こういったイメージに加え、「ユダヤ教徒は、世界で最も健康意識の高い民族」であるという。
 このような考えを抱いているのが、『ユダヤに伝わる健康長寿のすごい知恵』(石角完爾/著、石原結實/監修、マキノ出版/刊)の著者の石角氏だ。石角氏は、日本におけるマイケル・ジャクソンの代理人弁護士としても知られ、60歳でユダヤ教に改宗し、ユダヤ人となった。本書では、ユダヤ教に伝わる健康長寿の膨大な知恵のエッセンスを紹介する。

 ユダヤ人は「ジョーク」が好きだという。小話やジョークは、抑圧された人々の中で発展する傾向がある。権力や権威を笑いのしめて、それに対抗する手段となるのがジョークといわれるもの。
 つまりユダヤジョークは一種の権力風刺なのだ。差別対象となり、その苦難を知っているからこそ、ユダヤ人は笑いを必然的に大切にしてきた。

 石角氏が大病を患った際、アメリカで治療を受けた。そこで、石角氏が驚いたのは、病室が笑いであふれていたことだった。
 ニューヨークは、医師の半数程度がユダヤ人という病院もあり、ユダヤ人の創設による大病院も多い。著名な医学者、研究者にもユダヤ人が圧倒的に多い。石角氏を診察したニューヨークの医師は、悪い知らせにおびえる石角氏にハーモニカでアメリカ民謡を吹いてなぐさめてくれたそうだ。また、石角氏の気持ちが落ち着くようにと、チベットのラマ教のテープを診察室で流し、さらにラマ教の鐘を自分でたたいて、心が平穏になる彼自作の詩を歌ってくれた医師もいたという。
 アメリカの医学教育は、コミュニケーションや患者への配慮が日本よりも充実している。「患者の心の不安を取り除けば、病気の回復は早い」というのがアメリカ医学の考え方のようだと、石角氏は自身の経験からも実感している。

 リラックスや明るい気持ちは自然治癒力と免疫力を高める。病気になったときこそリラクセーションが必要ということなのだろう。
 本書から、ユダヤの発想法、知恵を知ることにより、日常の健康に役立つことはあるはずだ。
(新刊JP編集部)