ニッサン・グローバル・モータースポーツダイレクターのダレン・コックスは、ニッサン/ニスモが今年のル・マン24時間に投入するニッサンZEOD RCが当初の目的を果たすことができるはずだと語っている。
ZEOD RCは、ル・マン24時間の舞台であるサルト・サーキットを電力だけで1周走行できる技術を備えた“ゼロ・エミッション・レーシングカー”。マシンに搭載された電力駆動と1.5リッター3気筒直噴ターボエンジンの駆動を切り替えることが可能で、EVモードで1周走行した後、エンジン駆動に切り替え回生を行い蓄電、再びEVモードで走ることができる。
ZEOD RCは、レース中に電気エネルギーのみの走行で、ミュルサンヌでは300km/hに到達するラップを走ることを目指している。コックスは、エンジン駆動ではLMP2のマシンを僅かに上回る3分40秒前後のタイム、電気エネルギーでの走行でも4分を切ると考えているという。
「それらの目標をすべて達成することができると確信しているよ」とコックス。とはいえ、24時間をトラブルフリーで走り切るのは「ほとんど不可能」だとも評している。
「もしも24時間続けて走り切ることができれば、それは信じられないような功績になるだろう。それが我々の目指しているものではあるが、それを見越しているわけではないよ」
またコックスによると、ルーカス・オルドネス、ヴォルフガング・ライプに加えて本山哲も参加した今月はじめのポールリカールでのテストで、マシンはさらに進歩を果たしたのだという。
「ドライブトレーンは両方とも上手く動作した。ただ、ポールリカールはダウンフォースが増え、より大きなGのかかる状態での初めての走行だったんだ」
「シャシーに関して初めて分かったことがたくさんあったということだ。様々な問題によって、走行時間も短くなった」
ZEOD RCは、イギリス・レスターシャーにある性能試験場で今週、さらなるテストを予定しているということだ。