ニッサンZEOD RCの透視図。フォーミュラのようなモノコック形状が目を引くとともに、重量配分がリヤ寄りであることも分かる。 ニッサン/ニスモが2014年のル・マン24時間耐久レースに、環境技術を志向した特別枠『ガレージ#56』から参戦させる電気レーシングカー、ニッサンZEOD RC。この透視図がニッサンから公開されている。
今季のル・マン24時間に参戦するZEOD RCは、“ゼロ・エミッション・オンデマンド・レーシング・カー(Zero Emission On Demand Racing Car)”の頭文字から名付けられたガレージ#56車両。ZEOD RCはニッサンの電気自動車であるリーフのリチウムイオンバッテリー技術を活用し、時速300km以上のスピードを実現。LM-GTEクラス車両を超える速さを実現する。
電気駆動を支える回生装置を備えるZEOD RCは、ドライバーがマシンに搭載された電力駆動とエンジンの駆動を切り替えることが可能。EVモードで1周走行した後、エンジン駆動に切り替え回生を行い蓄電、再びEVモードで戦うことができる。
そんなZEOD RCは、昨年のWEC世界耐久選手権第6戦富士でデモランし、世界初走行。現在ル・マン本戦に向け本山哲、ルーカス・オルドネス、ウォルフガング・ライプの手によりポールリカール等でテストが重ねられているが、その透視図が公開された。
ZEOD RCの透視図はマシンをサイドから見たアングルのもので、ドライバーが着座するモノコック周辺はLMPカーのものと同様の形状だが、クラッシャブルストラクチャーを兼ねたノーズ部分の特徴的な形状や、長く伸びたステアリングシャフトの配置などを知ることができる。ドライバー着座位置はフォーミュラに近いが、ハイノーズではないこともあり足の位置は比較的低い。
また、非常に目立つのはパイプフレームで構成されたバルクヘッドから後方の部分のコンパクトさ。ZEOD RCは400馬力を発生する『DIG-T R』という名称の1.5リッター3気筒直噴ターボエンジンを搭載するが、全高500mm、全長400mm、幅200mmという超コンパクトなエンジンが横置きされている。
リヤ寄りの重量配分をはじめ、興味深いZEOD RCの透視図。サルト・サーキットでの本番でどんなラップタイムを出してくるのか。注目したいところだ。