最近は、門や柵を設けないオープンなおウチが増えているけど、状況に応じてプライバシーを確保したいというのが多くの人の本音。
そんな人にインスピレーションを与えてくれるかもしれない、斬新なアート企画が、アメリカにて5月1日から開催される。
この「ヴェール」というインスタレーションは、日本人アーティスト、中谷芙二子さんの作品。
中谷さんは“霧の彫刻”で知られており、今回もアメリカのモダニズムを代表する建築家Philip Johnson(フィリップ・ジョンソン)の「glass house(ガラスの家)」を、真っ白な霧で包み込んでしまうという。
ガラスの家は、1949年にジョンソン氏が自邸として作り上げたもので、全面ガラス張り、解放感あふれる邸宅。無駄をそいだ構造は、今見てもスタイリッシュで、多くの人が見学に訪れている。
このガラスの家に霧が立ち込めてくると、建物は少しずつ消え去り、ついには全く見えなくなってしまう。中から見ると、本当に家がヴェールに覆われていくようで、なんとも幻想的!
霧は、風向きや気候によって姿を変え、自然の営みをいつもと違った形で見ることができるのも面白い。
もちろんこれはアートであって、一般の住宅を霧のヴェールで包み込むのは難しそうだが、外と内をゆるやかにつなぐ、新発想の目隠しにもなっている。
このインスタレーションは、今年11月30日、ガラスの家の65周年にあたる日まで開催。所在地は米国コネチカット州で、詳細は公式ウェブサイトにてチェックしてみて。
THE GLASS HOUSE
http://theglasshouse.org/