2014年04月25日 16:40 弁護士ドットコム
新たな万能細胞とされる「STAP細胞」の論文をめぐって、小保方晴子研究ユニットリーダーの研究不正を認定した理化学研究所の調査委員会。ところが、ここにきて、その調査委の石井俊輔委員長が責任著者として関わった論文にも、「画像の切り貼り」などの問題があるという疑惑が浮上した。
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ネット上では、「小保方さんと同じに見える」「理研では当たり前だったんじゃないの?」といった厳しい指摘があいついだ。石井氏は4月25日、調査委の委員長を辞任した。
問題になっているのは、石井氏が責任著者となっている2本の論文。サイエンスライターの片瀬久美子氏が、匿名の人から情報が寄せられたとして、ブログで資料を公開した。それによると、画像の切り貼りやデータの使い回しが疑われる箇所があるという。
ネットでの指摘をうけて、石井氏は4月24日、研究室のホームページでコメントを発表した。一つの論文について、「説明の順番になるように、レーンの順番を入れ替えていることが分かりました」と説明。論文を掲載した医学誌の出版社から修正する許可を得たと弁明している。
もう一つの論文については「問題はないと考えています」としているが、「疑念を抱かせてしまったこと、またこれにより色々なご迷惑をおかけした事を深くお詫び申し上げます」と謝罪の言葉を記している。
さらに、石井氏は理研に調査委員会の委員長を辞任したいと申し入れて、承認された。理研によると、後任の委員長には、委員の一人の渡部惇弁護士が26日付けで就任することになったという。
これまでSTAP細胞の論文をめぐる「研究不正」を追及してきた石井氏が、今度は自らの論文疑惑で窮地に追い込まれた。この異常な事態について、ツイッターには次々と厳しいコメントが投稿された。
「やったことと言い訳が小保方さんと同じに見える」
「こっちの言い分は通るなら、そりゃダブルスタンダードだろ」
「理研では当たり前のことだったんじゃないの?」
「ミイラがミイラ取りしてたのかよ」
「不正調査委員会の権威が無いことが証明されたかたちだ」
さらに、石井氏が辞任したことを受けて、
「あれだけ寄って集って苛めて自分は逃げて終わりかよ!ふざけんなこの野郎!」
「大丈夫かなあ、どんどんトホホな方向に向かってるような」
といったコメントがツイートされている。
理研は、STAP細胞の論文のときと同じように、研究不正の防止に関する内規に基づいて、石井氏の論文の調査を始めたとしている。理研広報によると、現在のところ、石井氏の記者会見は予定されていないという。
(弁護士ドットコム トピックス)