オーストリア、ウィーンの名所のひとつ、Museumsquartier(ミュージアムクォーター)は、世界十指に数えられる大規模な文化施設。
旧市街のはずれ、旧帝国厩舎のおよそ6万平方メートルほどの敷地には、バロック建築と現代建築とのポストモダンな組合せの建造物が混在し、その中に美術館や、レストラン、カフェ、ショップといった施設が点在しているというユニークなエリアだ。
その中に、街の住人たちもよく利用するという、ある有名な“憩いのスペース”があるという。その“憩いのスペース”とは、公園内に建てられた「ハンモックの家」。
この「ハンモックの家」は、地元では“The Flederhaus”という名で親しまれている。“The Flederhaus”は、日本語では“こうもり”を意味するのだが、心地よいオアシスを求めて多くの人が集まるこの家は、さしずめコウモリの巣といったところだろうか。
デザイン・建築を担当したheri & salliによると、「慌ただしい日々を送る都市生活者が、ひと休みできる公共スペースを作りたい」という想いから生まれた企画だそう。そのため、この家には壁や仕切りなどは一切なく、ゆらゆらとハンモックに揺られながら公園の木々や、ウィーンの美しい町並みを眺めることができる。
各階に吊るされているハンモックは全部で30台ほどで、使用料は無料。昼寝や読書をしたり、雨宿りがてら雨音に耳を澄ましてみるなど、ここではそれぞれが、思い思いの時間を過ごしているようだ。
近々、ウィーンを訪れる予定がある方はぜひ、旅の疲れを癒してくれる「ハンモックの家」へ立ち寄ってみてはいかが。
heri & salli(The Flederhaus)
http://www.heriundsalli.com/en/flederhaus-2/