2014年04月08日 12:30 弁護士ドットコム
気軽に猫とふれあえる「猫カフェ」。猫が大好きだけど、ペットの飼えない集合住宅で暮らす人たちに人気のスポットだ。そんな猫カフェの営業時間を午後10時までとする暫定的な措置の期限が今年5月末にやってくる。しかし、猫カフェファンにはうれしいことに、環境省が、暫定措置を2年間延長する方針を打ち出した。
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動物愛護管理法に関する環境省令では、動物の睡眠不足やストレスを防ぐため、ペットショップなどで犬や猫を展示できる時間を、原則、午後8時までとしている。だが、猫カフェは例外的に、午後10時まで営業が認められていた。
このように猫カフェは「特別扱い」されているわけだが、動物とふれあえるカフェはほかにもある。「ふくろうカフェ」や「うさぎカフェ」など、業界の裾野は広いように思われる。このような猫以外の「動物カフェ」の場合、午後8時以降に営業したら、違法とされるのだろうか。ペット法にくわしい細川敦史弁護士に聞いた。
「夜間(午後8時から午前8時まで)の展示禁止は、2012年6月から始まった新しい制度です。それまでは、都心の一部ペットショップにおいて、深夜でも明るく照らされたショーケースに、犬や猫が展示され、酔った客にケースを叩かれるなどのストレスにさらされていました」
たしかに、深夜営業のペットショップでは、動物たちもよく眠れなかっただろう。
「ええ。これが社会問題となって、法律による規制が必要だという世論が高まったことから、新たに時間規制が導入されたのです。もっとも、このような経緯から、夜間展示禁止の対象となる動物は、ペットショップでよく売られている犬と猫だけとされました」
では、犬猫以外はどうだろうか。
「たとえば、うさぎなどの動物についても、夜間に商業利用することは動物にとって不適切であるとして、広く夜間展示禁止の対象に含めるべきだという意見もありましたが、残念ながら、この意見は採用されませんでした。
しかし、夜間に犬猫以外の動物を展示する場合は、『明るさの抑制等の飼育環境の管理に配慮すること』という基準が設けられました」
ということは、うさぎカフェなどは、夜8時以降に営業しても違法ではないということか。
「はい。猫以外(うさぎ、ふくろう等の猛禽類、爬虫類など)のカフェについては、午後8時以降の展示は禁止されていません。そもそも時間規制がないので、午後10時以降の深夜に展示しても、違法にはなりません。
ただ、事業者には、動物の習性などを考慮して営業時間を設定し、飼育環境を整えることが法律上求められています」
たとえ夜行性の動物でも、明るい室内で展示されたら疲れるだろう。動物のいるカフェは人が癒される場所だが、動物たちに疲れがたまらないようにしてほしいものだ。
(弁護士ドットコム トピックス)
【取材協力弁護士】
細川 敦史(ほそかわ・あつし)弁護士
2001年弁護士登録。交通事故、相続、労働、不動産関連など民事事件全般を取り扱いながら、動物問題に関する事件や動物虐待事件を手がけ、動物愛護管理法に関する講演やセミナー講師も。ペット法学会会員。
事務所名:春名・田中法律事務所
事務所URL:http://www.harunatanaka.lawyers-office.jp/index.html