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「婚活サイト」で出会った相手は不動産のセールスだった・・・サイトの法的責任は?

2014年03月28日 15:00  弁護士ドットコム

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「将来のために、マンションを買ってほしい」――婚活サイトで知り合った交際相手の「甘い言葉」を信じてマンションを購入したところ、その後、連絡が取れなくなった・・・こんな相談が、国民生活センターに相次いで寄せられているという。


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2月下旬には、婚活サイトの利用者12人が「婚活サイトで知り合った交際相手が実際はマンションの勧誘業者で、投資用マンションを購入させられた」として、元交際相手や不動産業者などを相手に約2億円の損害賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こしている。原告の弁護団は「結婚願望につけ込んだ悪質なデート商法」として、売買契約は無効であると主張している。



今回の訴訟の相手は元交際相手と不動産業者だが、そもそも、そんな相手と出会わなければ、被害に遭うことはなかったはずだ。出会いの場を提供した婚活サイト側に責任はないのだろうか。石井龍一弁護士に聞いた。



●婚活サイトは「出会いの場」を提供しただけ


「たしかに、不当なデート商法を仕掛けてくるような人物と知り合ったのが婚活サイトだとすれば、そのサイト運営者にも責任があるようにも思えます。



しかし婚活サイトは、ただ出会いの場を提供したに過ぎません。サイトに登録している利用者が、違法行為を行うような人であるかどうか、認識するのは困難です。



ですから、出会った相手に悪質な違法行為をされたとしても、サイト側の法的責任を問うのは難しいでしょう」



●婚活サイトと業者がグルの場合は・・・


では、もしもサイト側が、悪質なマンション勧誘業者とグルだった場合はどうだろうか。


「はじめからグルだった場合は、婚活サイト側にも、一定の賠償責任が認められる可能性があります。



また、登録者の本当の目的が婚活ではなくマンションの勧誘であることを、サイト側が知っていながら、登録を認めたり退会させなかったような場合も、賠償請求できるでしょう」



つまり、婚活サイト側の関与の仕方によっては、賠償責任が認められる場合もあるということだろう。最後に石井弁護士は、婚活中の人に向けて、次のようなアドバイスを送っていた。



「婚活サイトを利用するのであれば、登録者の審査や身元確認をある程度きびしく行なっているサイトを選ぶべきでしょう」



信頼できる結婚相手を見つける前に、信頼できる婚活サイトを見極める目が求められているようだ。


(弁護士ドットコム トピックス)



【取材協力弁護士】
石井 龍一(いしい・りゅういち)弁護士
兵庫県弁護士会所属 甲南大学法学部非常勤講師
事務所名:石井法律事務所