ボールプールやアスレチック、複合遊技施設など、現代の子どもたちは体と知能に訴えかける遊び場が充実してうらやましい限り。日本に限らず、明るい未来を担う子どもたちには、体と心のバランスがとれた健やかな成長が求められている。
「私も子どもに戻りたい!」と思わず身を乗り出してしまうこちらのカラフルな構造物は、子どもたちが登って遊べるように設計された3次元彫刻のジャングルジム「luckey climbers(ラッキー・クライマー)」。登山彫刻で著名なアーティストであった故トーマス・ラッキーさんが、ボストン子ども博物館から委託を受けたことをきっかけに法人を設立し、25年以上にわたって制作を続けている。
その特徴は、なんといっても見た目の美しさ。曲面状のカラフルな木製パネルの間を鋼管などによって分断し、伸縮性のあるネットで覆い、安全面に配慮しつつ、遊具としての機能性も追及しつつ、視覚的にエレガントな芸術作品へと昇華した。
ラッキークライマーの中は完全なる子どもの世界。登りきるためにはどうしたらよいか、頭と体をフル回転させながら挑戦を繰り返すことで、運動能力はもちろん、現代人に足らないとされる「考える力」も育てる。設計から製造、出荷、組み立てまでに6か月から1年を要し、倒れにくいよう、子どもが立ち上がる機会を最小限にする設計で、1985年の開始以来安全記録を保っているとのこと。
アメリカやスイス、インドネシア、韓国など、これまでに世界25カ所以上の都市で公開され、毎年不定期に開催。日本でも開催されれば、行列は必至だ。遊んでいるようすや世界各国での開催記録は公式サイトからみられるので、遊びと芸術が織りなす造形美を楽しんで。
luckey climbers
http://www.luckeyclimbers.com/