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半沢直樹が目指すのは・・・「社長」と「頭取」どちらが偉いのか?

2014年03月22日 16:30  弁護士ドットコム

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「営業企画部部長職として、東京セントラル証券への出向を命じる」。昨年放映されたTBSの人気ドラマ『半沢直樹』の最終回。北大路欣也演じる中野渡(なかのわたり)頭取が、主人公の半沢直樹に出向を言い渡す印象的なシーンだ。


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このように銀行では、業務執行をはじめとして、融資や主要人事までさまざまな分野に目配りする最高実力者を「頭取」と呼ぶ。一方、民間企業であれば、経営の最高責任者は「社長」が務めるのが一般的だ。むしろ、頭取という肩書は、銀行以外で聞かないかもしれない。



この「頭取」は法律上、どのように定義されているのだろうか。また、「社長」と「頭取」では、どちらのほうが偉いのだろうか。企業法務にくわしい高島秀行弁護士に話を聞いた。



●「頭取」は「筆頭取締役」の略称?


「『頭取』というのは、現在、銀行でしか使われていない役職だと思います。『筆頭取締役』の略だと言われています。取締役の筆頭、すなわち、地位が一番上の取締役。したがって、代表取締役を意味しますね」



頭取は略称だったのか。さらに高島弁護士は続ける。



「これに対し、『社長』は会社の長、すなわち、会社で一番地位が上の人という意味です。したがって『社長』も通常は、代表取締役を意味することとなります」



どちらも「代表取締役」を意味するということは、どちらが偉いということはないのだろうか。



「そうですね。頭取も社長も、会社で一番地位が上という意味。どちらが偉いということはありませんね。ただし、この頭取も、社長も、俗語であって、法律用語ではありません」



●会長も、副社長も「俗語」にすぎない


では、法律用語の役職名は、いったいどんなものなのだろうか。



「代表取締役と取締役、執行役、監査役などですね。実は、頭取、会長、社長、副社長、専務、常務、相談役、顧問という役職は、法律上の役職ではありません」



なるほど、常務も顧問も、法律用語ではなかったのか。



「社長が俗語であることから、ごく稀に『社長』であって『代表取締役』でない人もいます。代表取締役とは、会社を代表し、契約などの行為を行うことができる取締役のことですが、そのような代表権をもたない社長も、たまにいるのです」



たとえば、ニュースサイト「J-CASTニュース」で知られる株式会社ジェイ・キャストは、その会社サイトによれば、代表取締役をつとめているのは「会長」であって、「社長」は代表権のない取締役ということになっている。



「代表取締役でない『社長』が契約書に署名捺印をしても、無効になってしまう可能性もあるので、注意が必要です。代表取締役以外の取締役は、会社を代表し契約などを締結することができませんから」



社長だけど代表取締役でない人もいるとは。会社の役職名とは、なかなかややこしそうな世界のようだ。


(弁護士ドットコム トピックス)



【取材協力弁護士】
高島 秀行(たかしま・ひでゆき)弁護士
「ビジネス弁護士2011」(日経BP社)にも掲載され、「企業のための民暴撃退マニュアル」「訴えられたらどうする」「相続遺産分割する前に読む本」(以上、税務経理協会)等の著作がある。ブログ「資産を守り残す法律」を連載中。http://takashimalawoffice.blog.fc2.com/
事務所名:高島総合法律事務所
事務所URL:http://www.takashimalaw.com