2014年03月14日 22:40 弁護士ドットコム
「世紀の大発見」と言われたニュースから一転し、さまざまな疑問が指摘されている「STAP細胞」。研究論文の筆頭著者である小保方晴子(おぼかた・はるこ)さんが所属する理化学研究所は3月14日、東京都内で記者会見を開き、研究論文の疑義に関する調査委員会の中間報告を発表した。
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調査委員会は不自然と指摘された6つの点について調査しているが、2点については、「研究不正とはいえない」と結論づけた。残る4点については調査を継続している。そのうちの1つは、英科学誌「ネイチャー」に掲載された研究論文の画像が、小保方さんの博士論文(早稲田大学)に記載された画像と酷似しているという問題だ。
調査委員会の中間報告書によれば、「データの比較から、これらは同一の実験材料から取得されたデータであると判断せざるを得ない」という。つまり、小保方さんが早稲田大学で博士号を取得した際の論文に使われた画像が、ネイチャーに掲載されたSTAP細胞の論文でも使用されていたと、調査委員会は認定したのだ。
問題はなぜ、そのような「流用」がおこなわれたのか、である。記者会見の質疑応答では、「その点について、小保方さんはどのように説明しているのか」という質問が出た。
調査委員会の石井俊輔委員長によると、小保方さんは早稲田大学の博士論文には言及しないで、「だいぶ昔に骨髄由来の血液細胞から作ったSTAP細胞を用いて、こういうデータを昔に得ていました。その画像を間違って、使ってしまいました」と説明しているという。
「大学院時代の論文のデータを間違って使ったというのは、ちょっと信じられませんが、そういうことはありえるのでしょうか?」
記者からそのように質問されると、石井委員長は、
「これは・・・客観的に見て、かなりレアなケースでしょうね」
と答えた。さらに、記者が、
「そのときに、ありえないんじゃないのと追及しなかったんですか?」
と質問すると、石井委員長から、次のような答えが返ってきた。
「そこが『調査継続中』になっているということを、ご理解いただければと思います」
(弁護士ドットコム トピックス)