2014年03月13日 02:30 Techable
インターネット黎明期より存在している「懸賞」ビジネス。ワンクリックで複数企業の商品へ応募できる手軽さから、利用したことがある人も多いだろう。そんな懸賞ビジネスは、個人情報取得が目的の悪質なサイトが蔓延し、一旦は廃れてしまったように思える。2010年12月にYahoo!懸賞が閉鎖したことも、ビジネスが廃れた証拠かもしれない。しかし、2013年11月頃に、Yahoo!懸賞がURLを変更し、復活していたのをご存知だろうか。Facebookと連携し、「いいね!」を押せば懸賞に応募できる仕組みだ。一旦廃れた懸賞ビジネスも、SNSと組み合わせるなどして、復活の兆しを見せている。そんな折、Yahoo!懸賞と同じ時期(2013年9月)にサービスインした「懸賞でポン」というサイトを見つけた。Facebook広告の掲載よりも、ファン数の獲得率が良いという噂を聞きつけ、運営元である株式会社ファンブックの共同創業者、原麻由美CfO(*)に話を聞いた。
Q.懸賞でポンを使うと、Facebook広告より効果が出るというのは本当ですか?
なるほど。Facebook広告よりも費用投資が少ないという点では、「懸賞でポン」は使えそうだ。「懸賞でポン」では、応募するときに必ずアンケートに答える仕組みになっているし、あらかじめアンケートに答えておけば自動で懸賞に応募できるシステムになっている。したがって、例えば、Facebook広告への出稿費用よりも安い価格を設定し、懸賞でポンに広告懸賞を掲載する。流入数はFacebookに比べて少ないが、アンケートの回答により自動応募してくるユーザーは、その企業のファンになってくれる可能性が高い潜在顧客なわけだから、1ファン獲得あたりの費用投資率は低くなるとる。
懸賞に応募させるには、商品が魅力的であればよいが、企業のファンになってもらうには、その企業自体が魅力的でなければならないだろう。例えば、新商品を続々開発している、他社よりも質の高い商品を提供しているなどだ。ゆるキャラを使って宣伝しているというのも、企業が魅力的に見える要素かもしれない。そこでこんな質問をしてみた。
Q.ファン数を増やすために「懸賞でポン」では、掲載企業をより魅力的に見せる施策はありますか?
「今はまだ実施していないです。しかし、おっしゃるとおりで、より企業を魅力的に見せるために、「懸賞でポン」のマスコットキャラクターと掲載企業とのコラボ企画を考えています。ネットメディアを使った営業には、キャラクターを使うと効果が高くなるもので。」
懸賞でポンのマスコットキャラクターは「ポンくん」と呼ばれている。このポンくんに引きつけられるユーザーはどのくらいいるかは、まだ未知数。現状で企業がポンくんとコラボしたいかと言われれば、答えは、NOになる可能性が高い。「懸賞でポン」の知名度が足りないせいだ。
ローンチから6ヶ月でユーザー数は、約4万人弱。2014年の目標は、ユーザー数を100万人に伸ばすことであるという。実際にユーザー数が100万人になれば、当然、懸賞でポンの広告出稿費は高くなるだろうから、その時、1ファン獲得の費用投資効果がFacebook広告よりも低いまま維持できるかが、同社が成功する鍵と言えそうだ。