2014年03月12日 17:10 弁護士ドットコム
伊勢えびや比内地鶏、泡盛など、その地域の名産品が自治体からもらえるシステムがある。ただし、タダではない。「ふるさと納税」という制度を利用すればもらえるのだ。
【関連記事:佐村河内さんの弁護士が辞任したワケ 「謝罪のタイミングをめぐり意見が分かれた」】
2008年から始まった「ふるさと納税」は、それによって税金が控除されるということで、利用する人も増えているという。さらに自治体によっては、一定額以上を超えると、地域の名産品がもらえるところもある。
たとえば、和歌山県串本町では1万円以上の人に「伊勢えび」などの地元の特産品をプレゼントしている。秋田県大館市では比内地鶏、沖縄県では泡盛の古酒セットなど、地域によってさまざざまだ。温泉地の旅館に泊まれる商品券やオホーツクの流氷など、地域色あふれるユニークなプレゼントを用意している自治体もある。
そんな「ふるさと納税」だが、どんな手続きをすればよいのだろうか。初めて利用する人が、注意すべきポイントはなんだろうか。福島美由紀税理士に聞いた。
「ふるさと納税というと、『故郷で税金を納める制度』と勘違いしている方もいるかと思います。しかし正確には、自治体への寄付金のことで、『ふるさと寄付金』と呼んだほうがいいものなのです」
このように福島税理士は説明する。では、どうやって「ふるさと納税」をしたらいいのか。
「ふるさと納税をするためには、まず寄付をする自治体を選びます。かつて自分の住んでいたふるさとはもちろん、住んだことはないが興味のある地域でもよく、どこでも好きなところを選べます。
このため、寄付をすることで特典としてもらえる地域の特産品で選んでも良いですし、そのお金の使い道から応援したい地域に寄付するというのでもかまいません」
手続きはどうなっているのだろう。
「寄付する自治体を決めたら、寄付金申請書を入手します。寄付金申請書は、各自治体のウェブサイト等からダウンロードすることができます。そこに必要事項を記入して、申請書をその自治体に提出・送付します。または、パソコンや携帯電話から電子申請で手続きをすることもできます。
その後、寄付金を払い込めば、寄付の手続きは完了し、正式に受領されれば寄附金受領証明書が送付されてきます」
ふるさと納税で注意すべきことは、どんな点だろうか。
「ふるさと納税をすると、その寄付金の額に応じて、税金が控除されて安くなります。しかし別途、手続きをしなければ、控除を受けることはできません。
控除については、2000円を超えた金額の部分が、一定の上限まで全額控除されます。たとえば、年収700万円の夫婦で子どもがいない給与所得者が3万円を寄付した場合、2万8000円が所得税と住民税から控除されます。」
では、どのような手続きが必要なのだろうか。
「1月1日から12月31日までに行った寄付については、翌年3月15日までに最寄りの税務署で所得税の確定申告を行ってください。その際には、受領証等の証明書類が必要になるので、なくさないように保管しておいてください。
ふるさと納税については、総務省のウェブサイトに詳しくまとめられています。そこでは、寄付できる自治体の一覧を見ることや寄付金控除額の計算のシミュレーションもできますので、参考にしてみてください」
【取材協力税理士】
福島 美由紀 (ふくしま・みゆき)税理士
慶應義塾大学文学部英米文学科を卒業後、大手商社に入社し、経理部に配属。結婚・出産後、簿記の勉強を始め、1990年に税理士試験合格。公認会計士事務所の勤務を経て、2002年に独立開業。セミナー講師経験多数。中小企業大学校講師。
事務所名 :税理士法人福島会計
事務所URL:http:www.fukushima-ta.jp/
(弁護士ドットコム トピックス)