自然を模した芸術作品は多々あるが、ひときわ幻想的な雰囲気を醸し出しているのが、ロンドンの建築スタジオ「Orproject」が手がけた「Vana」というインスタレーション。
「Vana」とはサンスクリット後で“森”を意味するそうで、会場となっているインド・ニューデリーのギャラリーでは、青白い人工的な“森”が訪れる人を異世界へと誘う。
地面にしっかりと根ざした太い木々は天井で1つにつながり合い、生命力さえ感じさせてくれる。細部を見てみると、すべて三角形の紙を縫い合わせて作れらており、内部にはLEDライトが埋め込まれている。ライトをつけると、日本の障子のように、紙を透かしたやさしい光が空間を包み込む。
この作品を作り上げるため、Orprojectは植物の葉脈を模したアルゴリズムを開発したそうで、紙の継ぎ目から漏れ出すほのかな光が複雑な線を描き、まるで新種の植物のようだ。映画「アバター」のように、未来の自然や不思議なパラレルワールドを想像させてくれる。
人工的なのに、自然に抱かれているような安らぎを感じさせてくれるのは、やはり建築家ならではの感性が活かされているから。
実際に訪れてみたい人は、公式サイトから詳細を問い合わせてみて。
Orproject
http://orproject.com/vana/
Project Architects: Rajat Sodhi, Christoph Klemmt
Project Team: Sambit Samant, Manu Sharma
Photography: Sumedh Prasad and Orproject