どこまでも続くような真っ白な空間に、所狭しと張り巡らされたロープ。まるで巨大生物が作り上げた罠のようなこのインスタレーションは、オーストリア、クロアチアを拠点に活動するアーティスト集団「NUMEN / FOR USE(ヌーメン / フォー ユース)」の新作。
「ヌーメン / フォー ユース」というと、昨年東京・青山の「スパイラル」にて開催された個展を思い起こす人もいるはず。ビニールテープを幾重にも巻きつけて作成された「TAPE INSTALLATION(テープインスタレーション)」などが代表として知られ、その圧倒的な存在感と、私たちの感覚を惑わすような不思議な空間作りは、日本のみならず世界から注目を集めている。
オーストリアで制作された新作「String Prototype(ストリング・プロトタイプ)」は、巨大キューブの中に、ロープを張り巡らせたインスタレーション。中に入ると、まず驚かされるのが、そのどこまでも続くかのような不思議な景色。無機質で真っ白な空間に規則正しく張り巡らされた青いロープを見ていると、まるで異空間に迷いこんだような錯覚を覚え、とたんに方向感覚を失ってしまいそうだ。
ロープを伝い、不思議な空間を上下左右あてどなくさまよえば、子どもも大人も非日常気分を楽しむことができるだろう。
なお、キューブは収縮可能で、小さくたためば移動も簡単とのこと。現在まだ試作段階だが、ぜひ日本でも展示を行なってほしいものだ。
NUMEN / FOR USE
http://www.numen.eu/installations/string/prototype/