2014年02月19日 18:51 弁護士ドットコム
5年前のアカデミー賞を受賞した「スラムドック$ミリオネア」は、テレビのクイズ番組を舞台にした映画だった。そこでは、主人公の青年が高額の賞金をかけて一つ一つのクイズに答えていくスリルと、その背景にあるドラマティックなストーリーが描かれた。
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日本でも、優勝者に賞金をプレゼントするクイズ番組はいくつかある。気になるのは、その賞金額の上限だが、日本民間放送連盟の審議会では「上限金額は200万円程度が望ましい」という見解が示されているようだ。
では、クイズ番組で与えられる賞金に「税金」はかかるのだろうか。たとえば、番組で賞金100万円を獲得したとしたら、税金はいくらになるのだろう。また、懸賞で手に入れた賞金や、文学賞などで副賞として渡される賞金の扱いも同じなのだろうか。税理士の屋倫平(おく・りんぺい)氏に聞いた。
「結論から申し上げますと、このようなテレビやインターネットの賞金にも税金がかかります。同じく、文学賞などの副賞として渡される賞金にも税金がかかります」
このように屋氏は説明する。では、どれくらいの税金がかかるのか。
「クイズ番組で100万円の賞金をもらった場合について、考えてみましょう。クイズ番組の賞金は、『一時所得』にあたります。そして、一時所得の金額は、次の計算式で求めることができます。
(賞金100万円-特別控除額50万円)÷ 2 =25万円
つまり、100万円の賞金を手に入れると、そのうちの25万円に対して税金がかかることになります」
しかし、全く収入がない専業主婦や子どもの場合は、「この25万円から、基礎控除38万円を差し引くことができます」。つまり、結果として、収入がない主婦や子どもは賞金100万円を手にしても、税金を払う必要がないのだという。
だが、給料をもらっているサラリーマンの場合は話が違う。たとえば、年収500万円と年収1000万円のサラリーマンが100万円の賞金をもらった場合、それぞれ税金はいくらになるのか。
「計算が複雑になりますので、結論だけ述べると、次のようになります。
年間の給料が500万円の場合、税金は約3万7500円です。そのうち所得税が1万2500円、住民税が2万5000円となります。
一方、年間の給料が1000万円の場合は、税金は約7万5,000円。そのうち所得税が5万円、住民税が2万5000円となります」
つまり、同じ100万円の賞金をもらった場合でも、賞金以外の収入がどれだけあるかで、税金の額も変わってくるというわけだ。
ちなみに、クイズで優勝したときに、賞金ではなく、家電製品などの賞品があたった場合は、「小売価格の60%相当額の収入があったものとして、税金を計算します」ということだ。
【取材協力税理士】
屋 倫平(おく・りんぺい)
2005年に屋税理士事務所を設立。会社の税務顧問を主な業務とし、税務・会計・資金調達といった専門分野はもちろん、経営や人事・労務などアドバイスができる税理士として、会社の様々な課題に対応している。
事務所名 :屋税理士事務所
事務所U R L:http://okutax.com/
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