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テストを採点しても「無給」!? 塾講師の「バイト代」はどう計算されるべきか?

2014年02月16日 13:00  弁護士ドットコム

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学生アルバイトの定番である塾講師。アルバイトの中では「時給」が高く、プレゼンテーション能力も身に付けられると人気だが、必ずしも良いことばかりではないようだ。聞こえの良い条件ばかりに目がいくと、思わぬ落とし穴に陥るかもしれない。


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塾講師のアルバイトをはじめて2年をむかえる東京都内の男子大学生Yさんは、ある不満を抱いている。Yさんが働いている塾では、1コマ60分の授業に「時給」が支払われるが、授業以外の時間は「休憩時間扱い」となる。つまり授業の前後や合間に、プリント作成やテスト採点、保護者とのやり取りなどの「仕事」をしても、その時間分の給料はもらえないというのだ。



確かに他のバイトに比べると、「時給2000円」という条件は見栄えが良い。しかし、実際に働いた時間に対して支払われる金額で考えると、「割に合わない」と、Yさんは感じているようだ。こうした授業以外の「仕事」に対してお金を支払ってもらうことはできないのだろうか。靱純也弁護士に聞いた。



●休憩時間中は「労働から完全に解放される」


「Yさんは、授業以外の『仕事』の時間についても、塾に給与の支払いを請求することができるでしょう」



靱弁護士はこのように結論を述べる。どうして、そう言えるのだろうか?



「労働基準法上、休憩時間中の労働者は、休息のために労働から完全に解放されることを保障されています。



Yさんは塾の指示により、授業時間外も『仕事』を行っていたと思われますので、この時間を『休憩時間』と見なすことはできません」



休憩時間でないなら、労働時間になるのだろうか?



「業務命令を受けて仕事をしていれば、その時間は、労働時間になります。



もし、仮に明確な指示がなかった場合でも、プリント作成や採点、保護者対応をYさんが行わざるを得ないのであれば、実質的に使用者の指揮命令下におかれているといえ、それは『労働時間』として扱われるでしょう。



また、実際には仕事をしていない待機時間でも、たとえば、保護者から対応を求められればYさんがすぐに対応しなければならないような場合には、待機時間も労働時間にあたると判断されることがあります」



そうなると、お金ももらえる、というわけだ。



靱弁護士は「労働時間とみなされれば、塾はYさんに対して、その時間分の賃金を支払う必要があります。もっとも、2年以上前の賃金等は時効で消滅しますので、Yさんは早めに請求をしたほうがよいでしょう」とアドバイスを送っていた。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
靱 純也(うつぼ・じゅんや)弁護士
大手銀行、製薬会社勤務を経て2004年弁護士登録。交通事故、労働事件、債務整理、企業法務などに幅広く対応。気軽に相談できる弁護士を目指し無料法律相談に力をいれている。
事務所名:あゆみ法律事務所
事務所URL:http://www.ayumi-legal.jp/