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「警察の訓練だと聞いていた」 中学生誘拐事件の共犯者「言い分」は認められるか?

2014年01月27日 16:30  弁護士ドットコム

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「誘拐は本物ではなく、警察の捜査能力を確認する訓練の手伝いだと聞かされ、信じた」


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昨年11月、東京・田園調布で女子中学生が身代金目的で誘拐された事件。監禁罪などで逮捕・起訴された犯人グループの1人が、警視庁の調べに「捜査訓練の一環だと信じていた」と供述しているという。



朝日新聞によると、この男は、インターネットの闇サイトを通じて「仕事がある」と持ちかけられ、犯行に加わった。しかし男は、仲介役とされる男から「警察の訓練の一環で、女の子を拉致する。もし捕まっても、すぐに解放する」などと説明されたと、供述している。



もし仮に、男の供述が事実だった場合、罪を犯す意思がなかったとして、無罪になる可能性はあるのだろうか。また、罪は免れなくても、量刑を判断する際に考慮されるのか。元検事で刑事事件にくわしい大竹健嗣弁護士に聞いた。



●「責任逃れ。まず無罪になることはない」


「今回の場合は、責任逃れの弁解だと判断され、まず、無罪になる可能性はないでしょう」



大竹弁護士は、こう結論付ける。



本来、「罪を犯す意思がなかった」という弁明は、内容の合理性や信用性の有無で、結論が異なる。今回は、その信用性が極めて低いのだという。



そもそも常識的な人なら、闇サイトに近づかない。ところが男は意識的に闇サイトを訪れており、そこでの「仕事」も当然、反社会的行為だと気づいていたはずだ。



「警察が、そんなサイトで捜査訓練の協力者を求めるわけがない。誰もが当然、気づくことです」



●「反省なし」とみなされ、かえって重い刑に


仮に、仲介者に「捜査訓練の一環」だと言われたことが事実だとしよう。



「それでも、仲間たちが、嫌がる女子中学生を縛り、監禁するのを目の当たりにしているのです。『捜査の一環』でないことを強烈に認識できたはずです」



つまり、罪を犯す意思がなかったと弁解しても、責任逃れにしか聞こえない。



「同じ弁解を裁判でも続けるのであれば、『反省していない』として、かえって重い刑に処せられることになるでしょう」



このように大竹弁護士は、厳しい見解を示していた。


(弁護士ドットコム トピックス)



【取材協力弁護士】
大竹 健嗣(おおたけ・たけつぐ)弁護士
検事として約30年にわたり、刑事事件の捜査・公判に携わる。後輩検事の指導、育成にも力を入れてきた。2000年に弁護士登録。趣味は映画鑑賞、登山、旅行。
事務所名:ヴィクトワール法律事務所
事務所URL:http://vict-keiji.com/