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「早く結婚しろ」親族の過剰な干渉に苦しむ「30代女性」 慰謝料を請求できるか?

2013年11月26日 17:50  弁護士ドットコム

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「早く結婚しろ」。まだ独身のままでいたいのに、家族や親戚から盛んに急かされる。そんな女性は今も少なくないのではないか。都内で働くT子さんもその一人だ。「30代になったから当然といえばそうだけど、疲れてしまうほどです・・・」


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T子さんは、ようやく仕事が軌道にのってきて、もう少しキャリアを積んでから結婚を考えたいと思っているが、なかなか親族の理解を得ることができないという。同世代の友人も、「結婚しろ」と過剰なまでに干渉され、傷つき苦しんでいる女性が多いと話す。



おそらく親族に悪気はなく、良かれと思って結婚を勧めているのだろう。だが、おせっかいの領域を通り越して、精神的な苦痛を与えるようになったらどうか。T子さんは慰謝料を求めることができるのだろうか。橋本智子弁護士に聞いた。



●慰謝料請求が認められる条件とは?


「結論からいえば、慰謝料を獲得するのは無理でしょう」



このように橋本弁護士は述べる。なぜだろうか。



「他人に精神的苦痛を与えるあらゆる行為について、慰謝料が発生するわけではないからです。平たく言えば、行為自体が相当に悪質で、それによって生じた結果が一定程度、重大であって初めて、慰謝料の支払い義務が生じるのです」



残念ながら、裁判に訴えたら「勝てる」とはとうてい言えないケースのようだ。では、精神的苦痛に対して、慰謝料が発生するのは、どんなときなのだろうか。



「たとえば、名誉や社会的信用をひどく傷つけられたとか、前科を公表されるといったレベルの重大なプライバシー侵害がされたとか、ストーカー被害を受けたとか、そういったケースです」



たしかに、そうした例と並べられると、「早く結婚しろ」という言葉の「悪質性」はかすんでしまうだろう。「早く結婚しろ」というプレッシャーに対しては、何かできることはないのだろうか。橋本弁護士は次のように指摘し、現実的な対処法を探るべきだとアドバイスしていた。



「結婚しろというプレッシャーでも、たとえばその干渉の度合いが、強要罪という犯罪を構成するほどに暴力的・脅迫的であるような場合であれば、慰謝料が認められる可能性はあるかもしれません。



とはいっても、裁判をするためにかかる手間・暇・弁護士費用などを考えれば、費用倒れどころか大損でしょう。そういう親戚とのつきあい方や、やり過ごし方を考えるほうが現実的ですし、建設的です」


(弁護士ドットコム トピックス)



【取材協力弁護士】
橋本 智子(はしもと・ともこ)弁護士
大阪弁護士会所属 犯罪被害者支援委員会 委員
共著書『Q&Aモラル・ハラスメント 弁護士とカウンセラーが答える 見えないDVとの決別』(2007年、明石書店)
事務所名:あおば法律事務所
事務所URL:http://www.aoba-osaka.jp/