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となりの犬がうるさくて眠れない! 飼い主に「犬を飼うな」と言える条件とは?

2013年10月03日 16:00  弁護士ドットコム

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もはや「ブーム」という言葉が似つかわしくないほど、ペットは社会に定着した。内閣府が2010年に行った調査では、約3分の1が「ペットを飼っている」と回答。なかでもダントツ人気のペットは「犬」で、うち58.6%に及んでいる。


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犬と言えばワンワン……というぐらい、よく吠えるのが特徴だ。これは飼い主だけでなく、隣人にとっても悩みの種で、「裏の家の犬が朝から晩までことあるごとに吠え、窓を締めても鳴き声が響いてよく寝られない」といった相談がネット上にもあふれている。



この相談のように「うるさすぎる犬」の飼い主に対しては、法律に基づいて何らかの対処を要求することができるのだろうか。ペットにまつわるトラブルにくわしい桑田英隆弁護士に聞いた。



●まずは飼い主と話し合い、適切な「しつけ」をしてもらうべき



「ペットの飼育が完全に定着した現在では、ペットにまつわる近隣トラブルも増加しています。しかも、常に顔を合わせる可能性がある隣人が相手なので、感情的な対立は避けたいところです。



そのため、まずは当事者同士で話し合い、飼い主にしつけなどの対応をとってもらうことが適切です。分譲マンションでのペットトラブルでは、理事会に間に入ってもらう方法もあります」



しかし、なかには相手と直接、顔を合わせたくないような場合もあるだろう。公的に対処してもらう方法はあるのだろうか?



「動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)9条は『地方公共団体は……動物が人に迷惑を及ぼすことのないようにするため……動物の所有者……に対する指導をすること……その他の必要な措置を講ずることができる』と規定しています。



そこで、お住まいの地方公共団体に、飼主への指導等を要請することが考えられます」



●慰謝料の支払いや「飼育禁止」を裁判で要求できる場合もある



残念ながら、そうしたお願いや指導などが実を結ばない場合は、「裁判」も考えられるのだろうか。



「それでも効果がない場合には、不法行為に基づく損害賠償を請求することが考えられます。



飼主は、隣人に迷惑を及ぼさないように、日常のしつけをするなど、飼育上の『注意義務』を負っているからです。



一方、隣人も一定の『受忍義務』を負います。損害賠償請求は、この受忍限度(がまんしなければならない限界)を超えた場合に、はじめて認められます」



ペットの鳴き声が、受任限度を超えてあまりにうるさい場合、飼い主に慰謝料を要求できるということだ。桑田弁護士はさらに続ける。



「また、飼育の方法や鳴き声の異常性が極めて強い場合には、飼育禁止の請求を起こすことも不可能ではありません。



分譲マンションでは、管理規約でペットの飼育方法を規定する例がありますが、近隣に迷惑をかけ、理事会から飼育を禁止されたにもかかわらず、犬の飼育を継続したようなケースでは、管理組合が犬飼育禁止請求の裁判を提起できる場合があります」



限定的ではあるが、裁判では、飼い主に「犬を飼うな」と要求できるケースもあるようだ。飼う側としてみれば、万が一にもそんなことにならないよう、愛情を持ってきちんとしつけを行うべきといえるだろう。



(弁護士ドットコム トピックス)



【取材協力弁護士】
桑田 英隆(くわた・ひでたか)弁護士
東京弁護士会・首都圏マンション管理士会
事務所名:桑田・中谷法律事務所
事務所URL:http://www.kuwata-lawoffice.net/