ひとり暮らしで毎月家賃を払っている人は、分譲マンションのチラシなどを見て、借りるよりも買ったほうがお得なのかも…と考えたことってない? 実家暮らしの人も、いずれ家を出ることを考えると、どちらがお得なのか気になるところ。
「長期的にみると不動産価格の変動などにより、買うのと借りるのとでどちらが得とは言えません。ただし住宅ローンの金利が約20年前よりも大幅に低くなり、住居に関して払わなければならない税金が優遇される現在、20~30代のシングル女性がマンションを購入することは決して難しいことではありません。それぞれのメリットとデメリットを比較し、どちらが自分のライフスタイルに合うのかで決めることが大切です」
そう話すのは、住まいのマネー事情に詳しいファイナンシャルプランナーの菅野利光さん。そこで借りることと買うこと、それぞれのメリットを教えてもらった。
●賃貸のメリット
①気軽に住み替えられて、状況に合わせて住居費を増減できる ②管理を人に任せられる ③頭金や契約時の登記料、仲介手数料など、購入時の大きな費用が不要
●購入のメリット
①自分の資産になる ②セキュリティや耐震性能など、構造がしっかりしているケースが多い ③設備が充実している傾向がある ④自由にリフォームできて、住まいが充実する ⑤ローン完済で住居費が大きく軽減される ⑥比較的ペットを飼いやすい
「購入するとローンが精神的な負担になることもありますが、その緊張感からムダな出費を防ぐ意識が高まり、老後にお金を残しやすくなることもメリットです」(同)
一方、賃貸と購入それぞれのデメリットとは?
●賃貸のデメリット
①広めの物件が少ない ②内装を自由に変えられない ③家賃が無駄になる
④コストを抑えた構造になっているケースが多い
●購入のデメリット
①住居に関する税金を払う ②修繕費やメンテナンス費がかかる
③賃貸よりも住み替えに時間と労力、コストがかかる
住む場所に縛られたくないという人は賃貸、住まいを充実させるほうが仕事もプライベートも頑張れるという人は購入…というように住まいを選ぶことは、自分がどう生きたいのかを考えるきっかけにもなりそう。現在引っ越しを考えていなくても、住まいのプランを立てておくと、将来的にも役立つはず!
菅野利光1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)、CFP(R)(日本FP協会認定)、住宅ローンコンサルタント。大手都市銀行や保険会社に勤務した経験を活かし、総合的に家計の見直しをアドバイスしている。
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