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【うちの本棚】172回 HEATGUY J ヒートガイ・ジェイ/御祇島千明(原作・赤根和樹、サテライト)

2013年07月03日 15:40  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

【うちの本棚】172回 HEATGUY J ヒートガイ・ジェイ/御祇島千明(原作・赤根和樹、サテライト)

「うちの本棚」、今回は『HEATGUY J ヒートガイ・ジェイ』のコミカライズ作品を取り上げます。
単行本ではアニメ版資料、アニメ版監督のインタビューなども収録していて、コミカライズ作品を含めてアニメ版の資料集といった印象のある一冊です。


【元の記事はこちら】


本書はテレビアニメ『HEATGUY J ヒートガイ・ジェイ』の放映に合わせて、講談社の「マガジンZ」に連載されたコミカライズ作品。原作はアニメ版監督の赤根和樹と制作会社の「サテライト」、キャラクター原案は結城信輝。


コミカライズ版は4話で、1、2話はアニメ版の内容をかなり忠実にマンガ化しているが、後半の3、4話はアニメの設定を踏まえてのオリジナルな展開になっている。しかしながらアニメ版全体から見ると3分の1程度の内容でコミカライズ版は終了。基本的に1話完結のエピソードではあるが、全体を通して大きなストーリーの流れのあるアニメ版を月刊誌でコミカライズしていくのは、テレビ放送の期間内に同じスピードで進行できないのを見越して、後半はオリジナルの展開になったのかもしれない。これから、という感じの展開で終わっているのは大変残念である(かなり余韻のある終わり方でもあり、オリジナル作品として続編を描いてほしい気がする)。


アニメ版とコミカライズ版の大きな違いは主人公ダイスケ・アウローラなど主要なキャラクターがコミカライズ版の方が幼い印象があるといったくらい。オリジナルのストーリーも違和感のない展開でよくできていた。


本書ではコミカライズ作品の分量が少なかったせいかアニメ版の資料や連載開始前の予告まんが、アニメ版監督のインタビューなども収録していて、『HEATGUY J ヒートガイ・ジェイ』という作品の資料集という印象もある。


あまり話題にならなかった作品という気もするが、個人的には大変好きなアニメで、もし同じようにこのアニメがお好きな人がいたら、ぜひコミカライズ版、この単行本もお読みいただきたい。アニメ版では語られなかった「HEATGUY」と呼ばれるゆえんに言及しているシーンもあります。


初出:講談社「マガジンZ」2002年10月号~2003年4月号


書 名/HEATGUY J ヒートガイ・ジェイ
著者名/御祇島千明
出版元/講談社
判 型/B6判
定 価/524円
シリーズ名/マガジンZKC
初版発行日/2003年3月20日
収録作品/HEATGUY J ヒートガイ・ジェイ 1~4話、J-HOTPAPER、予告まんが、アニメ設定資料、赤根和樹インタビュー


(文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/)