最近女性誌などで目立つのが、仕事と家庭を両立させ、さらにオシャレで美しい女性たち。「結婚したら自分もあんなふうに輝きたい」…そう思うシングル女子は少なくないはず。 しかし働く女性のアドバイザー的存在として数多くの著書を出している有川真由美さんは「『仕事も家庭も』という自己実現は、やすやすと手に入るものではありません」と話す。
「かつての結婚は女性にとって、経済的な苦労などのリスクから守ってくれるものでした。多くの女性は守ってもらうために夫に従い、子供を優先して生きてきたのではないかと思います。けれども個人の自由が尊重されるようになり、夫婦平等の考え方が浸透した今、『ひとりの女性』という視点で見ると、家庭はリスクそのものになっているのです」(同)
家庭を持つことによるリスクとは、例えば「時間やお金が自由にならなくなる」「出産や育児で仕事を辞めざるをえなくなるかもしれない」「夫婦仲や子供の教育で問題を抱えるかももしれない」といったこと。
「『仕事も家庭もうまくいくように』と願うなら、シングルのうちにリスクを考え、安心感や安定感を保つポイントを心得ておくことが大切です」(同)
有川さんに教えてもらったリスクを軽くするポイントは次の3つ。
(1)生活の意思決定と経済に責任を負う
夫から「守ってもらう」という受け身の姿勢ではなく、夫婦がお互いに守り合うという積極的な姿勢が大事。責任を押し付け合うのではなく、シェアして引き受けるようにすれば、家庭はより安心できるものになるはず。
(2)自分の時間・お金・場所を捨てない
自分を犠牲にして家族に尽くしていると、家族を縛ることになり、なにもできない夫と自立できない子供を生む危険が。わずかでも自分の時間、自分のお金、自分の場所(空間)を確保し、家族との心地よい距離感を持つことを考えておこう。
(3)「いい妻・いい母」の幻想を捨てる
「仕事で輝く女性」「優しい母親」「魅力的な妻」など、理想の女性像をめざしてすべてを求めようとすると、ヘトヘトになってしまい家族もくつろげない。周りの評価を気にせず、仕事と家庭のバランスを考えてみよう。
結婚してから後悔しないためにも、家庭を持ったときに直面しうる現実やリスクについて、シングルのうちからきちんと知っておこう。
有川真由美作家・写真家。化粧品会社事務、塾講師、科学館コンパニオン、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、新聞社編集者など多くの転職経験をもち、マナー講習指導、新人教育の経験から、働く女性のアドバイザー的存在として書籍や雑誌などで活躍中。旅行作家としても台湾を中心に約40カ国を旅し、エッセイやドキュメンタリーを執筆する。『感情の整理ができる女(ひと)は、うまくいく』『10年先を考える女(ひと)は、うまくいく』(以上PHP研究所)、『よわむしの生き方―必要な人になる50のルール』(きずな出版)など、著書多数。【オズモール】