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日本から二本を抜いたら?世界中で行われる謎多きスポーツを徹底解説

2013年06月18日 16:21  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

日本から二本を抜いたら?世界中で行われる謎多きスポーツを徹底解説

男性ならば人種問わず必ず一度は挑戦するスポーツがあるのをご存知だろうか。
挑戦するのは思春期真っ盛りの少年達。その時期には、脇目もふらずにそのスポーツに明け暮れるという。


【元の記事はこちら】


そのスポーツの名前は――「エロ本隠し」。一説にはエクストリームスポーツとして分類されている。
※エクストリームスポーツとは:速さ、危険、芸術性が求められる、ある意味生死をもかけたスポーツの総称。


本稿では、長年男性陣がひた隠しに隠してきた、メジャーだけれども一般には多く語られることがない謎多きスポーツ「エロ本隠し」について徹底解説していく。


 
さて、その「エロ本隠し」。中心選手は大体小学校高学年から高校生あたりの男性と言われている。
稀に大量のボーイズラブ本を所有する女性も存在するが、その選手人口は男性選手に比べまだまだ少ない。そのため本稿では男性選手中心でお話したい。


なお、本稿を執筆するにあたっては、本スポーツをまとめた世界最古の文献「アンサイクロペディア」のエロ本隠しの章も参考にしている。ただし、エロ本隠しの章では、近年のデジタル化に対する対応には触れられていないため、全編において私の研究結果及び、インターネット上で調査した調査結果を交えて紹介する。


 
―攻・守の選手とその特徴


このスポーツ。スポーツというからには、もちろん“攻める側”“防衛側”の二つが存在する。
それぞれの側の選手の特徴を以下に簡単に紹介する。


・攻:主将/母、副主将/姉や妹、その他/父・兄・弟など
・防:挑戦者1人


すぐにお分かりかと思うが、このスポーツは攻める側の選手数が圧倒的に多い。最小主将の母一人ということもあるが、主将は参加選手の様々な利権を握っていることが多く、他の選手を仲間に誘い込むスキルなど、とにかくあらゆる戦闘能力を秘めている。。


対して防衛側選手は基本的に1人。
ただ過去の事例で、時に兄や弟、そして見かねた父や祖父など男性選手が攻める側から一転、防衛側を援護するということもあるという。だがそうした“寝返り選手”のほとんどが実は密偵だったという報告もあり、基本、防衛側選手は「孤立無援」「誰も信用してはならない」という心構えで試合を戦い抜かなければならない。


 
―球
このスポーツで「球」として扱われる対象は現在2種類存在する。


・エロ本
・エロデータ


数年前まではエロ本という物質的なものに限られていたが、ここ近年パソコンや携帯電話の普及によりその比率はエロデータに推移しつつある。


 
―試合内容


▽試合開始
まず防衛側選手が、家の中のどこかにエロ本を隠す。エロデータの場合にはパソコンもしくは携帯電話にデータを保存した時点が試合開始となる。
なお、最近の報告ではインターネットで検索したエロサイトの検索履歴も「球」として認定されている。


▽攻防戦
「球」が隠されたら本格的な試合開始。防衛側はまずその存在を攻める側に察知されないよう過ごさなければならない。
ただし、攻める側の主将・母は尋常ならざる能力を秘めており、いかに防衛側選手が普段通りに振舞っても、いつのまにやらその存在を察知されている事が多い。そのため、隠した瞬間から既に本格的試合が開始されているものと、防衛側は心してかからなければならない。


▽隠し場所
「球」の隠し場所についてだが、以下の場所が多く報告されている。(デジタルデータはパソコンもしくは、携帯電話などのデジタル機器に限られるためここでは触れない)


<エロ本の場合>
・防衛側選手のベッド・ふとんの下
・天上
・床下(畳の下含む)
・冷蔵庫の下
・洗濯機の下
・何かの隙間
・本棚の奥
・表紙を変えて本棚にしれっと陳列
・納戸
・使わなくなったランドセルなどのカバン類
・近所の原っぱ※
・近所の神社※


※場外ケースについては、攻める側の主要選手による発見リスクは減るが攻める側に場外参加選手(近所のおばちゃん、先輩、野良犬など)が増えるため、近年では少なくなっているという報告がある。


なお、隠し場所については、定期的な場所変更が認められている。


 
――試合終了
試合終了の基準は以下の通りになっている


▽防衛側勝利
<共通>
・攻める側(主に主将)がめんどくさくなって攻めるのを放棄したとき


<エロ本>
・見つかる前に誰かに譲り渡した時
・見つかる前に破棄したとき


<エロデータ>
・防衛側が見つかる前にデータを削除したとき


▽防衛側敗北
<共通>
・攻める側に「球」を発見された時


エロ本についての敗北基準は「発見された時」といたって単純。
対して、近年その存在が「球」として認知されたばかりのエロデータに関しては、敗北基準がまだ曖昧な点がある。


その為以下は、記者が考える敗北基準として紹介したい。


<エロデータ>
・攻める側が他の何らかの方法で「球」が入るパソコンもしくは、携帯電話のパスワードロックを解除したとき
・その存在を察知した攻める側によりパソコンもしくは携帯電話が使用できなくなったとき(破壊、契約解除など)
・防衛側が誤ってエロデータを主将に送ってしまったとき


 
以上。この「エロ本隠し」なるスポーツは、あまり表立って紹介されることはないが、その歴史の長さから複雑なルールで構成されている。
また、時代背景によって細かくルールが変更されるため、選手達はそれを各自敏感に察知して取り組まなければならないという難しい側面も持っている。


 
今回紹介した「エロ本隠し」。勿論私も選手として参加したことがある。


息子が隠したエロ本やエロデータ。それが特にいけないことだとは実は攻める側は大して考えていなかったりもする。


なのになぜ攻める側はこの戦いに挑み続けるのか。そして執念を燃やすのか。


それは「息子の困った顔が見たいから」――その一点につきると言えるだろう。


参考:「アンサイクロペディア」のエロ本隠しの章


(文:お母さん)