“便秘が長い間続いている”“毎朝トイレに座っているけれどなかなか出ない”など、便秘に関する悩みを抱えている女子が多いみたい。
「女性のふたりにひとりは便秘の自覚症状があると言われています」そう話すのは、便秘に関する著書を多く出している、医師の山口トキコさん。
「とはいっても便秘自体は病気というわけではないですし、2~3日お通じがないからといって“自分は便秘だ”と決めつける必要はありません」(同)
となると、週に一度しか出ない人も便秘ではない可能性があるの?
「1日に1回、お通じがあるのが理想ですが、2~3日に1回、もしくは一週間に1回しか排便がなかったとしても便秘ではない場合があります。数日に1回だったとしても、決まった期間で定期的に排便があり、量はバナナ1~2本分で、さらに排便のあとに不快感がなく、スッキリするのなら、それが自分の“排便リズム”ということになります。逆に、排便リズムをきちんと把握せず、毎日お通じがないからといって、便秘薬を飲んで無理に出したりすることは、腸に負担がかかるのでおすすめできません」(同)
一週間近くもお通じがないと、薬の力を借りて出したくなってしまうけれど改善法はないの?
「私たちが食べたものは胃や小腸で消化・吸収され、消化されなかった食物繊維が大腸へと送られ、便になり排出されるのです。そのため、食べるものに含まれる食物繊維が不足してしまうと便秘になりがちに。薬の力を借りる前に、普段から野菜や果物、キノコ、豆類、海藻を積極的に摂るように心掛けましょう。すると自然に便秘の解消へとつながるはず」(同)
また、便意を感じたあと、トイレに座る時間が長すぎるのもNGなのだとか。
「トイレに座ってから5分ほど力を入れてもお通じがない場合は、一度あきらめることをおすすめします。トイレに座る時間が長いと痔の原因になってしまうからです。いきむのは3分を目安として、少しずつ息を吐きながら、おなかに力を入れるとスムーズなお通じがかなうはずです」(同)
自分の体のリズムをしっかり把握し、正しいお通じのスタイルを実践して、スッキリ排便習慣を身に付けよう!
山口トキコ医学博士。山形県生まれ。東京女子医大大学院卒、東京女子医大一般外科医局での研修を経て社会保険中央総合病院、大腸肛門病センターに勤務。2000年に「マリーゴールドクリニック」を設立。日本で初めての“痔”の女性専門医として活躍中。日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員。近著は『スッキリ!美便生活』(池田書店)。【オズモール】