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女子高生が企画した「尻叩かれ屋」 ハリセンで叩いた客は「暴行罪」?

2013年05月31日 15:51  弁護士ドットコム

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「JKのお尻を叩いてみたいと思いませんか?」。女子高生がそう呼びかけ、自分たちの尻を叩かせる「尻叩かれ屋」というパフォーマンスを行って、ネットで注目を集めた。


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女子高生のブログなどによると、今年2月「何か面白いことがしたい」とツイッターで参加者を呼びかけ、都内の公園で数回実施した。叩くのはスカートの上から。客は手で直接叩くのではなく、ハリセンなどを使う。参加は無料だったという。



実際に参加した「客」はそれほど多くないようだが、ツイッターなどで話題になった。「企画として面白い」と笑い飛ばす人がいる一方で、「公園でSM」「通報されないの?」といった声も挙がっている。



ブログでは終始明るくて楽しそうなノリなので、特別いやらしい感じはしないが、「公園で女子高生の尻を叩く」という部分だけ抜き取ると、いかがわしく聞こえなくもない。例えば、こうしたパフォーマンスに参加した客や主催者が、暴行や公然わいせつなど、何らかの罪に問われる可能性はあるのか。佐藤大和弁護士に聞いた。



●ハリセンで叩くと、暴行罪になってしまうのか?



「最近の女子高生は、面白い企画を考えますね・・・・」



佐藤弁護士は感心した様子をみせながら、「尻叩き」について、法的な観点から次のように説明する。



「法律上、人を殴ったり蹴ったりして、ケガをさせた場合は『傷害罪』、殺すつもりがないのに死なせてしまえば『傷害致死罪』という罪になります。また、ケガをさせなくても『暴行罪』となります」



では、ハリセンで叩く行為も「暴行罪」なのか。



「必ずしもそうではありません。叩かれた側の『承諾』があり、その目的や行為などが社会常識の範囲内であれば、傷害罪や暴行罪にならないとされています。



今回のケースでいえば、女子高生たちは、尻を叩かれることについて『承諾』しています。したがって、優しくハリセンなどで叩く場合は、暴行罪や傷害罪にならないでしょう。しかし、思いっきり叩いて女子高生にケガをさせてしまったとしたら、社会常識の範囲を超えたとして、傷害罪になりえます」



つまり、程度問題だということだろう。ほかに成立する可能性がある犯罪として、佐藤弁護士は「公然わいせつ罪」をあげる。



「衆人環視の場で公然と、性行為をしたり、下半身の大事な部分を露出すると、公然わいせつ罪になります。しかし、公園内で、女子高生のお尻を叩く程度であれば、公然わいせつ罪にはならないでしょうね」



●「尻叩かれ屋」と「JKリフレ」の違いはどこにあるのか?



女子高生(JK)といえば、最近、問題になったのが、女子高生が添い寝などのサービスを提供する「JKリフレ」の摘発だ。



「JKリフレのように、参加料を有料などにして、「尻叩かれ屋」を事業として行っていた場合には、SMプレイを連想させます。そうなると、18歳未満の年少者をいかがわしい業務、それに類する行為に就労させたとして、主催者が労働基準法違反になる可能性はゼロではありません」



このように佐藤弁護士は指摘する。また、「各地域の条例によっては、公園内で、周囲に迷惑をかける行為としたとして、過料を処せられる可能性もあります」ということだ。



どうやら女子高生による「尻叩かれ屋」は、一時的な企画として行われる分には、犯罪とまではいえないようだ。ただ、それも程度しだい。どこまでが「社会常識の範囲内」といえるかは、なかなか難しい問題だが、女子高生たちには「一線」を超えないように注意してほしい。


(弁護士ドットコム トピックス編集部)



【取材協力弁護士】
佐藤 大和(さとう・やまと)弁護士
債務整理、交通事故被害、離婚問題、刑事事件、労働トラブルなど幅広い案件を扱うアディーレ法律事務所に所属する弁護士(東京弁護士会所属)。子どもたちの未来のため法教育に熱心に取り組む一方で、大学講師としても活躍する。
事務所名:弁護士法人アディーレ法律事務所
事務所URL:http://www.adire.jp