山本「僕は資格には否定的です。資格というのは、他人からどう見えるかということで、資格があればその分野で自分の力があることの証明書になるということです。資格取得のために勉強することは否定しませんが、資格があるから他人から力を認められて食べていけるという考え方は甘すぎます。実際は資格を持った人の間で猛烈な生き残り競争もあるわけですから。
弁護士、公認会計士など、稀少価値の高い資格も、資格だけでは食べていけません。僕はMBAの資格を持っていますが、留学に行った先で、“これだけ毎年MBAを日本人が取れば、価値は小さくなるな”と考えていました。だから、普通のMBAではない、特別なMBA(MBA with honors=栄誉MBA)を取得することで差別化をしたつもりです。また、MBAだから食えるとは思わないようにしました。資格で食べられるという甘い考え方にしがみつくと、自分でものを考えられなくなって失敗する確率が高くなると思います」