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エコ活動、まだまだ日本は無駄を減らせる

2012年10月04日 17:40  新刊JP

新刊JP

 ドイツという国にどんなイメージを持っているだろうか? エコ先進国、国民性は勤勉でお堅いなどがまず思い浮かぶ人も多いだろう。倹約家で合理的な国民性を持つドイツ人だが、「整理整頓を覚え、好きになりなさい。時間と手間を省いてくれるから」ということわざがあるように、整理・整頓にも意識が高いようだ。
 母親がドイツ人であり、ドイツと日本という2つの国を見つめて来た門倉多仁亜さんは『タニアのドイツ式整理術・完全版』(集英社/刊)の中で、収納から家具選び、情報・時間まで様々なもののドイツ式整理術を日本人に向けにわかりやすく解説した“タニア流ドイツ式整理術”として紹介している。そんな門倉さんへのインタビュー、今回は後編をお届けする。(新刊JP編集部)

■「日本はまだまだ無駄を減らせる」

―ドイツといえばエコ活動の先進国として知られていますが、ドイツではどんなエコ活動が行われているのですか?

「ドイツ人は、ちょっと昔の日本人が口ぐせにしていて世界でも認められた「もったいない」ということを考えて生活していると思います。公共のゴミ箱の選別法が細かく、でもわかりやすく無駄なく行われています。たとえば、ガラス容器のゴミ箱も、透明、グリーン色、茶色のガラスに分別して捨てるようになっているとか。衣類は、衣類専用のゴミ箱に入れて必要な人に使いまわしてもらうとか。 食べものも無駄にしていないと思います。生産者もパッケージをできるかぎりシンプルにしたり、人々は日々、自分にできるエコは何なのかを考えながら生活していますね。
そういえば、母はおせんべいなど、個包装のものは無駄だから買わないと言っていました。 日本は贈答品など、気持ちを表すためにか過剰包装のものもまだ多いですね。ちょっとエコを考えていったほうがいいのかな、と思います」

―また、その中で門倉さんが生活に取り入れているものはありますか? また、日本でも出来ることはなんですか?

「食材を買いすぎないことや、余りものを使いまわして食べきること。パッケージの過剰なものは買わないようにしています。また、ドイツは昔から水が貴重なので節水を心がける国民ですが、私もなるべく節水しています。小さなこと、できることから実践しています」

―日本人はよく忙しいといわれますが、そういう生活から脱却するためにはどうすればいいのでしょうか。

「毎日の生活の中でメリハリをつけたらいいのでは?また、切り上げる時間を決めて実行することが大事かなと思います。そうして決めたらとにかく実行することです。たとえば、私は、毎朝メールチェックを30分以内と決めています。それ以外は、基本的に見ません。メールはだらだら続けていたらいつまでも時間を取られますから・・」

―日本とドイツ、どちらが住みやすいとお考えですか?

「日本は、人々が穏やかです。そして、ドイツは違う穏やかさがある。日曜はお店はほとんどがお休みなど、メリハリがある分、時間の流れは穏やかだと思います。どちらにもそれぞれのよさがあるので、一概には決められませんね」

―このインタビュー読者の皆様に、本書の読みどころやメッセージなどをいただければと思います。

「自分の工夫次第で生活は楽しく心地よくなるということ。それを私のやり方を書くことで少しでもお伝えできれば、と思いました。もろもろ整理できたら、少し時間を作って考えてみること。そこから何か新しいことが生まれてくるような気がしています」

(了)