トップへ

「無い」と「ない」違和感を覚える漢字変換

2012年05月28日 11:30  gooランキング

gooランキング

「勿体無い」「勿体ない」「もったいない」「モッタイナイ」――同じ言葉でも表記を変えるだけで、違った趣があり表現の幅が広がります。しかし、ひらがなを多用したり反対に漢字ばかりが並ぶ文章だったりする偏った表記は、読み手に違和感を与えてしまうようです。

●そこはひらがなで!……漢字を多用することに違和感

発言小町『そこを漢字で書かないで~(駄)』によると、投稿者のsarujaさんは「ない」を「無い」、「ある」を「有る」のように、手書きで文章を書くときには書かなかったであろう漢字変換に違和感をもっているとのこと。そこで「漢字で書かないで」と思ってしまう漢字変換について意見を募っていました。

「『勿体無い』とか『頓珍漢』とか、普通にひらがなで書いたほうが通じやすい」(マーボーさん)

「確かに画数のめちゃくちゃ多い、難読文字を変換で出てくるから使っているのであろうと思われる文は、嫌ですね」(Teaさん)

「『宜しく(よろしく)』と『拘る(こだわる)』は、漢字で書きません。漢字にすると、意味が薄れるような気がして」(ギルドさん)

パソコンに頼りすぎた変換で、難しい漢字ばかりが並ぶわりに中身がない文章というギャップも違和感を覚える一因ではないかという指摘もありました。

●漢字にしないでの反対に寄せられた「ひらがなにしないで!」

漢字にしないでという投稿の一方で、寄せられていたのがひらがなの多用について。「友人が『ホンマに?』を『本間に?』と漢字にして送ってきます」と、ミャンコ先生は読むたびに背中がムズムズするのだとか。ぽぽろんさんからは、「お金が無い」なら理解できるものの「つまら無い」や「かもしれ無い」の「無い」に違和感をもつとの意見が寄せられていました。

また、「憂鬱→憂うつ、完璧→完ぺき、美貌→美ぼう」を例に、「全部間抜けに見えます」というムシロのネズミさん。「憂うつなんて全然悩んでなさそうに見えるし、完ぺきも何か足りない感じ、美ぼうだって近寄りがたい美しさが想像できません」と、ひらがなを多用することで、漢字のなりたちから滲み出る美しさや雰囲気が崩れてしまっているのではないかと指摘しています。

●わかってはいるけれど……文字数制限がそうさせる

ツイッターや掲示板などの投稿サイトでは、文字数制限を設けていることが多く、書き込みをする際に漢字変換を多くし、スペースを確保しているケースもあるようです。

トピ主と同様に以前から気になっていたというくろさん。「『形式名詞や補助用言はひらがな表記』と、ウチの小学生の辞書にだって出てますから。(中略)でもしょっちゅう字数制限オーバーしちゃうんです」と、本来は「~すること」と書くところを「~する事」とするなど、違和感を覚えつつも決められたフォーマットの中に文字を詰め込みたいために漢字を多用しているケースもあるようです。

パソコンの変換機能はとても便利ですが「書けない、読めない、でも変換したら出た」という具合に、容易に用いるケースも多いかもしれません。寄せられた投稿の中には、ひらがなと漢字の使い分けの参考になればと、高島俊男著『漢字と日本人』(文春新書)、武部良明編集『現代国語表記辞典』(三省堂)、共同通信社編著『記者ハンドブック』(共同通信社)、また内閣告示の『常用漢字表』が紹介されていました。一つの目安として知っておいて損はなさそうですね。近頃では個人と並んでソーシャルメディアを利用する企業も増えて、より広範囲に情報発信をする時代。読み手に違和感を与えない文章でPRしたいものですね。(幸)

トーク下手必見のタモリ式会話術とは


gooランキングのおすすめコラム
やって後悔、やらずに後悔…あなたはどっち派?
「薔薇」「顰蹙」読めるけれど書けない漢字といえば
女性が多い職場で気をつけることは?