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傘ってこれ以上進化しないの?

2011年03月04日 11:22  gooランキング

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突然ですが、みなさんは「なぜ傘は何年も進化しないのだろう」と考えたことはありませんか? ワンタッチで開くジャンプ傘やコンパクトな折り畳み傘、風の強い日でもおちょこにならない耐風傘など改良が加えられてきた面もありますが、基本的な形状は今も昔も変わっていない様子。しかし横殴りの雨では濡れてしまう、また傘を持つと片手が塞がってしまうなど、まだまだ改良の余地があるのではと思える面も。そこで時代をさかのぼり傘の歴史を振り返るとともに、今後どのように形を変えていくのか、その進化の可能性について探ってみました。

●傘の歴史を探ってみた

博多の傘屋「しばた洋傘店」のコラムページ「傘物語」によると、傘はもともと貴族や高僧の日よけとして使われていて「尊い人を日差しから守るとともに権威の象徴であった」とあります。今のような開閉式の傘は13世紀にイタリアで生まれ、フランスへ伝わったのは1533年、婦人用のアクセサリーとして日傘が用いられていたのだそう。雨傘が使われるようになったのは18世紀に入ってからで、イギリスの商人ジョナス・ハンウェイによって広められとのこと。当時、男性が傘を持つのはペチコートを着るに等しく、最初は奇異の目で見られたそうですが、彼が30年間も持ち続けたことで次第に英国紳士たちにも受け入れられていったのだとか。

一方、日本の洋傘の歴史については日本洋傘振興協議会のサイトに詳しい記述がありました。同サイトによると、日本最古の洋傘の記録は1804年、中国からの唐船の舶載品目にあるとのことで、本格的な輸入が始まったのが1859年、文明開化の波に乗り明治時代に入ってから普及したのだそう。

以降、国産傘の生産が開始されたのが1889年、晴雨兼用傘が登場したのが1932年、折りたたみ傘の開発が始まったのが1949年。ジャンプ傘の登場が1960年、同年ポリエステルの洋傘生地が開発され、1965年にコンパクト傘がヒットするなど、19世紀の終わりから、少しずつ進化を遂げてきたようです。基本的な形状は変わっていなくとも、材質や機能に改良が重ねられ、より使い勝手の良いアイテムとして生まれ変わってきたことが伺えます。

●どうなる?未来の傘

では、この基本的な傘の形状が変わることはあるのでしょうか。近年話題を呼んだ進化系傘のひとつに「ヌーブレラ」があります。2007年にニューヨークで誕生したこの傘は、肩と脇をベルトで固定し、頭全体を透明のドームでカバーするという画期的なデザインで、各メディアが大きく取り上げました。ユニークな見た目もさることながら、強風でも折れず視界はクリアでハンズフリー、その上防寒性も兼ね備えているとあって、使ってみたいと思った人は少なくないのではないでしょうか。

また、ニュースサイトGIGAZINEでも取り上げられた、Je Sung ParkさんとWoo Jung Kwonさんによるコンセプトデザイン傘「AIR UMBRELLA」もちょっと変わった進化系傘。こちらは傘布を使わず空気で雨を凌ぐというもので、バトンのような棒のてっぺんから空気を噴射して空気の壁を発生させるのだとか。今のところ商品化はされていないようですが、布を使わないこの傘はまさに未来を思わせる斬新さで注目を集めそうです。「エアギター」ならぬ「エア傘」で、颯爽と雨の中を歩いてみたいものです。(熊)

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