平成のペアルック、ニコイチファッション

「ペアルック」と聞くとバブル全盛期に流行した、お揃いの服を着る姿を思い浮かべる人も少なくないのでは？　今ではちょっとダサイ、古い、そんなイメージを抱きがちですが、若者の間ではそんな概念を覆す現象がおきているようです。

●これぞ平成のペアルック

10～20代をターゲットにした女性ファッション誌を中心に、友達同士でお揃いのファッションに身を包むことをペアルックではなく、ニコイチファッションと呼ぶのだとか。昨年からファッション誌をはじめ、テレビ番組でも取り上げられるなどじわじわと話題になっていました。

７月の３連休、若者が多く集まる渋谷を歩いてみると、流行のカンカン帽やカチューシャ、マキシ丈ワンピースの色違いにサンダル……と小物から洋服まで、大小問わず何かがお揃いという二人組を発見。少し歩いただけでもかなりの遭遇率と、今夏は特にその傾向が高まっていると言えそうです。さらにメイクもヘアスタイルも似通っている二人はまるで双子のよう。アイテムが他人と被らないことがステータスだった時代を経て、全身ではなくとも何か一つのアイテムをお揃いにすることが人気のようです。

日本語俗語辞書によると、ニコイチの元々の意味は不具合がある２つの製品を使って一つのものをつくることで、これをなぞらえたのが「２娘１」という言葉。二人でひとつと言えるほど仲がよいという意味で、友情の深さを表しています。渋谷を後にする頃には、街ゆく二人組を見るポイントがすっかり変ってしまいましたが、女性同士に限らず、男女のカップルや男性同士にも浸透している様子。なんだかほほえましいニコイチファッションブーム、もうしばらく続きそうな気配がしました。（幸）

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