spliti 〜今日のタメ語 “半井小絵”

【6月21日（月）　gooランキング急上昇女性有名人　1位】

『半井小絵の季節の小箱』。今年3月にかんき出版から発行されたフォトエッセイのタイトルです。フォトエッセイというと、お天気キャスターの半井さんの写真がふんだんに盛り込まれている本を想像しますが、ほとんどは花や木々、空といった風景の写真で占められています。数えてみたところ、約130ページあるうち半井さんが写っている写真は大小あわせて20点ほど。ただ「おわりに」によりますと、うれしいことに「ほとんどが私服です」。私服かどうかは判別できませんが、いまの季節にふさわしいレインコートを着て傘をさしている写真や、クリスマスのページで真っ白なコートを着ている写真はほんわかした気持ちにさせてくれます。

色鮮やかな写真に添えられたエッセイでは、さまざまな季節の用語を説明しており、ところどころにお天気キャスターならではの解説やアドバイスが挿入されています。「入道雲」の「雷が鳴ったら、できるだけ頑丈な建物の中に入りましょう！」などは、実際の放送で口にしていそうなフレーズです。

半井さんは気象予報士の資格を持っている本格派の気象キャスター。「おわりに」を再び見ますと、「気象データを分析し、(中略)放送に使う画面やコメントを考えることで精いっぱいの毎日です」と書いています。愛らしい女性お天気キャスターの多くは、おそらくそばに原稿をつくっている気象予報士の方がいるはずですが、半井さんはひとりですべてできるのです。出演している番組はNHKのニュースですので、民放並みの自由度はないでしょうけれど、有資格者ならではのことばの力があるのは言うまでもありません。

目下、つねに安定した視聴率を誇る『NHKニュース7』で、「気象情報」を担当している半井さん。コーナーの時間は決して長くはないものの、日常生活に欠かせない情報を伝える重責を担っています。たとえニュースを見逃しても、気象情報だけはチェックする方もいるでしょう。そういったなかで半井さんは歯切れよく進行してくれます。男女問わず穏やかに話す方が目立つお天気キャスターのなかでは、珍しいと言えるでしょう。右手に持っている白い棒の動きには無駄がなく、志望校合格のためにわかりやすく教えてくれる予備校の講師のようです。なにより迷いがないように見えるところに好感が持てます。

常和勝

（OCN TODAY）