spliti 〜今日のタメ語 “岡本真夜”

【4月19日（月）　gooランキング急上昇女性有名人　13位】

上海万博のPRソングが『そのままの君でいて』のパクリではないかと騒がれ、問題の曲が暫定的に使用停止になった。その後、同万博事務局からの使わせてほしいとの依頼に、岡本真夜サイドは使用を許したという。田中麗奈のラジオ番組で、ニッポン放送の24時間番組『ラジオ・チャリティー・ミュージックソン』向けの楽曲依頼を受けたときとは状況がまったく違うにも関わらず、よくOKしたものだ。

ニュース番組などで公開されたコメントには「とても素敵なお話しで光栄です」との一文があった。聞けば聞くほどメロディがそっくりで、いまのところ岡本の名前がクレジットに入っていないにもかかわらず、大人の対応をしている。もし仮に徹底抗戦の道を選んでも、多くの支持を得られたはずだからなおさら感心した。

この盗作疑惑は番組、メディアによって報じる時期に若干ズレがあったようだ。万博関連の話なので一斉に報じられてもよさそうなのに、集中的に扱われたのはPRソングが暫定的に使用停止されたあたりから。一部のニュースキャスターたちは、スポーツ中継で誤審のスローVTRを見ながら「微妙な判定ですね」と語る解説者のごとく、奥歯にものがはさまったようなコメントにとどめていた。今回の岡本側の寛容な決断からすると、視聴者に判断をゆだねる報道姿勢に対しても彼女は歯がゆさを覚えなかったのだろうか。

渦中の『そのままの君でいて』はベスト盤の『RISE 1』に収録されている。さすがにこの10年前のCDがオリコン上位に入る可能性は高くないだろう。ただiTunes Storeで「岡本真夜」を検索すると『TOMORROW』を押しのけて一番の人気曲になっていた。テレビ番組の聞きくらべではほんの一部しか聞けない元歌を、フルコーラスで聴きたくなるのが人間心理。これは間違いなく万博効果だ。異論の余地はない。

今後は遅かれ早かれ岡本が上海万博の会場に行くことになるだろう。費用は向こう持ちで円満解決をアピールするための場に赴き、正式に決着するのではないか。現地ではPRソングのVTRに出ていた有名人か事務局のお偉いさんが待ちかまえ、笑顔で握手をする写真が撮られる…といった幕引きが妥当かと。

人見顕範