spliti 〜今日のタメ語 “前田敦子”

【4月12日（月）　gooランキング急上昇女性有名人　2位】

怒涛の快進撃で、メディアを席巻中のAKB48。テレビやラジオをつければ、ほぼ毎日メンバーの誰かが出ている。たまに誰が出るのかわからない番組があるからファンは大変かもしれない。今月7日にはベストアルバム『神曲たち』が発売され、とくにフリーペーパーの表紙にAKBを起用したHMVが大プッシュ。同日のHMV渋谷はAKB48コーナーがあちこちに設けられ、勢いのすさまじさに驚愕した。この大所帯ユニットでおいしいポジション、センターにいるのが前田敦子。『神曲たち』のジャケ写もど真ん中でポーズを決めている。

中央にいる意味はとても大きい。9日放送の『AKB48のオールナイトニッポン』収録時、「AKB48っていうのは、みなさんに名前は知られてると思うんですけれども、どんな子がいるかっていうのは正直わからない人が多いと思うんですよ」と大島優子が話したように、天井知らずの人気とはいえファンでなければ48人全員を識別するのは難しい。しかしPVの一部が電波に乗ると、ほぼ確実にセンターの前田が出てくる。もちろんPVだけに限らず、つねに目立つところにいられるため、自然と無視できない存在になっているだろう。

ファンの人気は現在トップ。顔は童顔で、特徴のある声は甘く子どもっぽい。しかも食いしん坊キャラ。発言はしばしばアバウトになり、場が和む。たとえば11日の『AKB48日曜日ももうちょっと』の一問一答。魔法を使えたらなにをしたいか聞かれ、「どこにでも行きたいから、どっか行きます」。思い描いたのはニューヨークだったがすぐに出なかった。違うコーナーでは、プロデューサーの秋元康の名言が「いっぱいあると思うんですけど」と言いながら、なぜか頭に浮かんでこない。こういったところも愛されるのだろう。要するに、前田は典型的かつ普遍的なアイドルなのだ。赤坂署の一日署長を務め、ファンが押し寄せたのもうなずける。

『日曜日ももうちょっと』には秘密のゲストとして、秋元先生が電話出演。メールが続かないとだめ出しされた前田は、「秋元さんが絵文字(オンリーのメール)を送ってくるので、それで終わっちゃうんですよ」と食い下がる。単にかわいいだけでトップに上り詰めたわけではない。そんな風に思わせる一幕だった。　

人見顕範