spliti 〜今日のタメ語 “稲垣早希”

【2月15日（月）　gooランキング急上昇女性有名人　18位】

かつらをかぶり、衣装を着て、『新世紀エヴァンゲリオン』のアスカになりきる。そして「あんたバカァ？」などと言って、アスカたちのものまねをするエヴァ芸人。芸能界をくまなく探せば、エヴァ好きで、キャラのまねやコスプレが好きな女性芸能人はほかにもいるだろう。知名度からすると後発の稲垣早希だが、ある番組をきっかけに大ブレイクしつつあるようだ。

それは昨秋からTBSでも放送されるようになった『ロケみつ』。関西の毎日放送が制作している番組だ。稲垣はそこでブログ旅の企画に参加し、知名度が一気に上がった模様。実際、ロケのVTRで道行くおばちゃんに声をかけられていた。この旅ではいくつかのチェックポイントを通らなければならず、軍資金は旅の途中に書くブログへのコメント数と、自身がふるサイコロの目に応じて与えられる。運が悪いときは残金が1,000円を切ることも。女の子には過酷な旅だ。

「関西縦断ブログ旅」を一部見たが、これは明らかに『電波少年』を意識した番組。スタジオから旅を見守るスタイルもそっくりだ。こんな考え方をするのはおっさんだという意見もあるが、指摘せずにはいられない。いずれにせよ、この手のバラエティがいまなお通じると、彼女が証明したのは事実。また彼女の屈託のない笑顔と人のよさも、関東進出に至った要因か。エヴァのキャラを演じない関西弁の稲垣は、案外まじめで義理堅い。好感度は右肩上がりと思われる。

ただし稲垣は今後確実に苦労するだろう。過酷なロケ企画が好評のうちに終わり、いい人として認知されたあと、ひとりの芸人として生き抜けるか否かが問われる。似たようなロケを乗り切ったものの、振り返れば『電波』がピークと思われる芸人は数え切れない。頑張ってコンビ名を思い出せても、それぞれの名前が浮かばないタレントすらいる。稲垣はエヴァ関連のものまねで持ちこたえられそうだが、ほかの引き出しがブログ旅の道中で生まれるだろうか。(人見顕範)